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弊社紹介記事 掲載
「ISICO」 Vol 17 2003 AUTUMN

発行所 (財)石川県産業創出支援機構           
年4回発行 2003年9月号
巻頭特集 「アジア旋風に打ち勝て!石川のモノづくり」より
プラスチックの精密切削加工を
手がける北陸有機工業(金沢市)は、
金沢工業大学と連携して切削用の
オリジナル工具を開発し、業界内で
一歩先駆けた存在感を示している。
同社がメインとするのは、半導体
や電子部品の製造機械の関連部品。
中でも、スーパーエンジニアリン
グ・プラスチックと呼ぶ耐熱性プ
ラスチックの加工に優れており、現
在、売り上げの30%を占めている。
そして、この専門分野で強みを発
揮する同社の悩みの種となってき
たのが、プラスチックの切削用工具
だった。そもそも、プラスチックの
切削加工はマーケットが小さいた
めに専用工具がなく、同社では金属
加工用の工具を使い、回転数や歯の
角度を調節するなどの工夫をして
きた。だが、作業スピードが上がら
ず、加工面が荒れるという問題があ
った上、スーパーエンジニアリン
グ・プラスチックは、汎用プラスチ
ックに比べて加工が難しく、カンナ
をかけるように工具を何回も往復
させて対処せざるを得なかった。
そこで、創業者の明康夫会長は4
年前、金沢工業大学の新谷一博教授
のもとを訪れ、専用工具を共同で開
発することを決めた。大学が持つ研
究シーズと実験施設を活用する一
方、同社のノウハウを注いで試作を
進め、ついに完成にこぎつけた。
工具の表面にはダイヤモンドを使
った特殊コーティングを施し、刃先
の角度を綿密に調整することで、つ
いにスーパーエンジニアリング・プ
ラスチックを一度で滑らかに削るこ
とができるようになったのである。
産学連携の成果について、松本充
夫社長は、「開発ノウハウの不足を
補ってくれたばかりか、実用化まで
のスピードアップや研究開発にか
かる負担の軽減にもつながった」と
評価する。
そして、今後、ますます拍車がか
かると予想される製造業の中国シ
フトをにらみながらも、「高度な技
術力を要求される半導体や電子部
品の製造は日本に残るはずだ。わが
社は、その際に必要とされるスーパ
ーエンジニアリング・プラスチッ
クの加工に軸足を置くことで、生き
残りをかけたい」と決意を込める。

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